2025年放送のNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』は、浮世絵師・蔦屋重三郎の波乱の人生を描いた異色の時代劇です。話題性のあるキャストや緻密な演出が注目されましたが、視聴率に関しては厳しい状況が続いています。本記事では、その最新視聴率の動向を詳しく追いながら、他作品との比較、視聴率低迷の原因、そして今後の展望について考察していきます。
『べらぼう』の最新視聴率推移【2025年7月時点】
最新回(第26話)の視聴率
2025年7月6日に放送された第26話では、世帯視聴率が9.8%と前回からわずかに上昇し、個人視聴率も5.6%と安定しています。前週の9.3%からの回復傾向にあり、物語の中盤を迎えて徐々に視聴者の関心が戻ってきている可能性が考えられます。
最低視聴率を記録した回とその背景
2025年6月15日放送の第23話では、世帯視聴率が8.8%となり、シリーズ開始以来最低の数字を記録しました。これは2019年の『いだてん』以来の大河ワーストレベルとされ、視聴者離れが深刻視されました。内容の重さや視聴の難しさ、そして裏番組の強力なラインアップが影響したと見られています。
他の大河ドラマとの比較
2020年代の大河との初回視聴率比較
『べらぼう』の初回視聴率は12.6%で、前年の『光る君へ』(初回12.7%)とほぼ同等でした。しかし、平均視聴率では『光る君へ』の10.7%に届かず、放送回を重ねるごとに差が開きつつあります。特に中盤に差し掛かる6月以降は1桁台に突入し、視聴習慣の定着が課題となっています。
数字に表れない“評価の高さ”とその乖離
『べらぼう』は一部視聴者から「脚本の緻密さ」や「時代描写のリアルさ」で高評価を得ていますが、それが視聴率に直結していない現実があります。視聴率は地上波放送の瞬間的な数字であり、NHK+や見逃し配信など、他の視聴経路では一定の視聴層を維持しているともいわれています。
視聴率が伸び悩む3つの理由
視聴難易度の高さ
本作の舞台である江戸吉原や出版文化を軸にしたストーリーは、現代人にとってやや馴染みが薄く、知識なしで観るには少々ハードルが高い面があります。家族団らんの時間帯に“ながら視聴”がしづらい作風であることが、視聴率低下の一因と考えられます。
視聴層のズレ
従来の大河ドラマの中心視聴層である中高年層にとって、現代的な演出やテーマ性が響きづらいとの声も。SNS上では若年層の評価も見られますが、視聴率調査に反映されにくい層であることも要因となっています。
他局ドラマとの競合
日曜夜9時はTBSやフジテレビなども人気ドラマをぶつけてくる時間帯です。特に2025年春クールは「視聴率の奪い合い」が顕著であり、視聴者の選択肢が増えた結果として『べらぼう』が割を食った形です。
今後の視聴率回復に向けた期待
物語はこれから後半戦に突入します。新キャラクターの登場や、クライマックスに向けた展開により、再び視聴者の注目を集める可能性があります。また、SNSを活用したファンコミュニティの活性化や、NHK+の使いやすさ向上といった配信施策にも期待が集まります。
まとめ
『べらぼう』は、作品としての完成度は高く、一部では「令和大河の新機軸」とも称される内容を誇ります。しかし、視聴率という数字では厳しい戦いを強いられています。後半の巻き返しと多角的な評価が重なることで、最終的な評価が大きく変わる可能性もあります。引き続き注目していきましょう。
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