「え、横浜流星ってこんなにストイックだったの…？」と驚く方も多いはず。
映画『国宝』で歌舞伎の名門に生まれた御曹司・俊介役に挑んだ彼は、その裏側を「死に物狂いだった」と語ります。
Oggi8月号では、1年におよぶ稽古の実態から、極真空手で培った精神力、そして役作りへの情熱まで赤裸々に告白。
本記事では、その誌面インタビューを中心に、映画『国宝』の見どころや横浜流星さんの芝居哲学まで徹底解説していきます。
彼の“本気”に触れたとき、きっとあなたの心にも何かが響くはずです。
映画『国宝』で挑んだ御曹司役とは
横浜流星が演じた俊介とはどんな役？
御曹司ならではの葛藤と弱さ
横浜流星さんが演じる俊介は、歌舞伎界の名門に生まれた御曹司。華やかな家柄の裏で、プレッシャーや劣等感に苦しむ繊細な青年です。表向きは立派に見える彼の内面には、「自分は本当にこの家を継げるのか？」という迷いが渦巻いています。
その心の揺れ動きを、横浜さんは抑えた演技で丁寧に表現。観る者の心を打つリアルな葛藤が、スクリーン越しにひしひしと伝わってきます。
ライバル喜久雄との緊張感ある関係性
俊介と対をなす存在として登場するのが、吉沢亮さん演じる喜久雄。実力でのし上がってきた彼に対して、俊介は“生まれ”という出自で評価されがちな自分とのギャップに苦しみます。
そんな2人の関係は、単なるライバルを超えた“対照的な鏡”。抑えた台詞の裏にある心理戦と、視線の一つ一つに込められた感情が、観る者をグッと引き込みます。
映画『国宝』の基本情報とキャスト
李相日監督による重厚なストーリー
映画『国宝』の監督は、数々の人間ドラマを描いてきた李相日（リ・サンイル）氏。今作でも、人間の深い内面に切り込むストーリーが展開され、歌舞伎という伝統芸能の世界をリアルに描写しています。
「一人の俳優ではなく、真の歌舞伎役者として存在してほしい」という監督の言葉が、キャストたちに強い影響を与えたのも印象的です。
吉沢亮とのW主演が話題に
俊介役の横浜流星さんとともに主演を務めるのは、人気俳優・吉沢亮さん。2人の緊張感ある関係性は、単なる競演にとどまらず、ストーリーの核となる重要な要素です。
それぞれ異なる背景を持ちながらも、芸に対して真剣に向き合う姿勢が重なり、観客に深い感動を与えます。
Oggi8月号で明かした舞台裏と覚悟
約1年間の稽古で本物の歌舞伎役者へ
谷口裕和氏による舞踊指導の詳細
横浜流星さんは、映画『国宝』のために1年近い準備期間を設けました。舞踊の指導には、歌舞伎舞踊の第一人者・谷口裕和氏を迎え、基本の所作から徹底的に指導を受けたとのこと。
「手の角度」「体の軸」「視線の先」など、一つひとつの動きに神経を集中させる日々。本人はその稽古を「暗闇の中で光を探すようだった」と語り、文字通りの“死に物狂い”だったことが伝わってきます。
中村鴈治郎氏から学んだ演技の核心
さらに、演技面では四代目・中村鴈治郎氏が直接指導にあたり、役柄の深掘りや感情表現に関して多くのアドバイスがあったそうです。
「俊介のような御曹司が抱える、誇りと不安、葛藤をどう演じるか」という課題に対し、表現を磨き上げる過程で何度も壁にぶつかったとのこと。Oggi誌面では、「納得がいかず、自ら撮り直しを申し出た場面もあった」と明かしています。
役作りを支えた“極真空手”の精神
幼少期から続けた空手で得た力
横浜さんの役作りにおける原動力の一つが、幼い頃から続けてきた極真空手。中学3年で国際大会優勝を果たしたその経験が、彼の“自分を律する力”を育てました。
長時間に及ぶ稽古、繰り返しの演技練習、自主的な復習…。すべてにおいて真剣に取り組む姿勢は、空手で培った精神力によるもの。役を演じること以上に、人物として“成りきる”覚悟が感じられます。
「撮り直し」を申し出るほどのこだわり
『Oggi』のインタビューでは、「納得できなければ撮り直しをお願いした」と明かす横浜さん。その徹底したプロ意識と、自分の演技に対する責任感の強さがうかがえます。
観客に対して、誤魔化しのない芝居を届けたいという真摯な姿勢。その芯の強さが、観る者の心を打つ大きな理由のひとつです。
ファッションと芝居の“二面性”を語る
Oggi掲載のビジュアルが魅せる新境地
花模様ジャケットに込めた演出意図
Oggi8月号で披露された横浜流星さんのビジュアルは、花模様のオーバーサイズジャケットを中心とした大胆かつ繊細なスタイリング。舞台裏の厳しさとは対照的に、柔らかくしなやかな雰囲気が漂うショットが並びます。
このファッションには、芝居で見せる“強さ”とのギャップを表現する意図があり、読者に「こんな一面もあるのか」と新たな発見をもたらします。まさに“二面性”が光る誌面構成となっています。
誌面で語られた“俳優哲学”とは
インタビューでは、役作りに対する姿勢や、日々の自己管理、そして作品への向き合い方についても語られています。中でも印象的なのが、「芝居を通して、誰かの人生に寄り添えるなら、それが一番の喜び」と語った一言。
ただ見せるだけではなく、“伝える”芝居を目指す横浜さんのスタンスが明確に伝わってきます。ファッションもまた、その一部として演出のひとつなのです。
横浜流星が見据える芝居の未来
「芝居以外は何もいらない」と語る真意
一つの役に全力投球する理由
『Oggi』の中で語られた「芝居以外は何もいらない」という一言。その言葉の裏には、役に対して“自分をすべて預ける覚悟”があるといいます。
横浜さんは、俊介という役柄の感情、思考、葛藤をすべて自分の中に落とし込み、観客にリアルな“人間”として届けることに心血を注ぎました。「この役を演じるために、今の自分が存在する」とまで言い切る姿勢からは、演技への信念が感じられます。
今後の目標とファンへのメッセージ
インタビューでは、今後の目標についても語られており、「もっと難しい役に挑みたい」「誰かの心を動かす芝居を続けていきたい」と、進化し続ける姿勢が印象的でした。
また、ファンに対して「作品を通して、少しでも何かを感じてもらえたら嬉しい」とも。一見クールに見える彼ですが、その言葉には確かな熱と、観る人への真摯な想いが込められていました。
