「この人、ただの無口じゃない——」そんな予感がしたのは、ドラマ『波うららかに、めおと日和』で帝国海軍中尉・瀧昌を演じる本田響矢さんのインタビューを読んだとき。彼がなつ美(芳根京子)に抱いた恋心の芽生えと、その繊細な変化は、女性視聴者の心にじんわりと染み込んできます。今回はそんな“瀧昌の恋”について、本田さん本人の声で深掘りします!
本田響矢が語る「瀧昌」の恋心
好意を自覚した“あの瞬間”
「瀧昌がなつ美に惹かれたのは、ほんの一瞬の出来事でした」と語る本田響矢さん。彼が印象的だったと振り返ったのは、ふたりの“初対面”で手が触れ合った瞬間。感情を表に出すのが苦手な瀧昌にとって、その触れ合いはただの偶然ではなく、心を揺らすきっかけになったといいます。
軍人として厳しく生きる日常の中で、ふと見せた“素の自分”に気づいたのはそのとき。女性に不慣れで、人との距離感を測るのが下手な瀧昌が、なつ美に対しては「何か違う」と感じた——その違和感が、恋の芽生えだったのです。
なつ美に心を開いたタイミング
本田さんが「心を開くプロセスも丁寧に演じたかった」と語るように、瀧昌の変化は劇的なものではありませんでした。日々の生活の中で、なつ美が見せる気遣い——例えば、体調を気遣っておかゆを作ってくれたり、冷たい布団を温めてくれていたり。そんな優しさのひとつひとつが、瀧昌の頑なな心を少しずつほぐしていったのです。
「小さな積み重ねが、大きな信頼になる」。そう感じた本田さんは、視線や所作、沈黙の“間”にも心を込めて演じたと話します。視聴者もきっと、彼の演じる瀧昌に“じわじわと心を許していく男性”のリアルを感じ取っているはずです。
役作りで大切にした“感情の機微”
瀧昌の不器用さと誠実さをどう表現したか
本田響矢さんが最も意識したのは、瀧昌という人物の「不器用だけど誠実な内面」でした。言葉ではなく、行動やちょっとした表情で気持ちを伝えるタイプの瀧昌。台本にあるセリフ以上に、無言の“間”や微細な仕草に彼の人柄が滲み出るよう心がけたそうです。
「表情筋ひとつ動かすだけでも、気持ちが伝わる瞬間がある」と話す本田さん。そのため、撮影現場では鏡を見ながら何度も自分の表情を確認し、カメラにどう映るかを徹底的に意識したとか。瀧昌のぎこちなさに“キュン”とする女性視聴者が多いのも納得です。
視聴者に届けたい“日常の積み重ね”の重み
「ドラマって、盛り上がるイベントも大事だけど、やっぱり日常の描写にリアルな恋があると思うんです」と本田さん。彼がこだわったのは、なつ美と過ごす静かな時間の積み重ね。例えば、並んでご飯を食べたり、庭を一緒に掃除したりする何気ない日常。
それらの場面にこそ、瀧昌の感情の変化や“心のほどけ”が見えてくる——本田さんはそう信じて演じ続けたそうです。視聴者の中には「自分もこういう恋がしたい」と感じる人もいるはず。そんな想いに寄り添えるよう、繊細な演技を意識したと言います。
ドラマ『めおと日和』が描く理想の夫婦像
共演者・芳根京子との相性
撮影現場でも注目されたのが、本田響矢さんと芳根京子さんの自然なやりとり。初共演にもかかわらず、息の合った演技にスタッフも驚いたそうです。「芳根さんが自然に空気を作ってくれるから、こちらもリラックスして瀧昌としていられた」と本田さん。
本読みの段階から役について深く話し合い、お互いのキャラクターを丁寧に育ててきたという2人。その信頼関係が、画面越しにも伝わってくるのは納得です。瀧昌となつ美の夫婦としての距離感は、この2人だからこそ表現できたのかもしれません。
視聴者が共感する“丁寧な恋愛描写”
『めおと日和』が描く恋愛は、派手な展開こそないものの、その分リアルで、見る人の心にそっと寄り添います。夫婦として徐々に心を通わせる瀧昌となつ美の姿には、「昔ながらの恋愛って、やっぱり素敵だな」と感じる声も多いようです。
日常の中で、思いやりや信頼が積み重なっていく過程は、視聴者にとっても“理想のパートナーシップ”のヒントに。ラブストーリーの中にある“生活感”が、多くの共感を呼んでいます。
まとめ:本田響矢が演じた「瀧昌」の魅力とは?
ドラマ『波うららかに、めおと日和』の中で、本田響矢さんが演じる瀧昌は、ただの軍人でも、ただの不器用な青年でもありません。言葉少なながらも、心の奥に深い想いを秘めた男。なつ美との日々を通して少しずつ変化していく彼の姿に、私たちは“恋をすることの素朴な美しさ”を思い出させられます。
インタビューを通して浮かび上がるのは、役に真摯に向き合い、感情の一つひとつを丁寧にすくい取った本田響矢さんの姿勢。彼の誠実さが、画面の向こうの瀧昌にリアリティを与えてくれているのです。
視聴者一人ひとりが、自分自身の「丁寧な恋」を思い描きたくなるような——そんな余韻を残してくれるドラマと演技に、これからも目が離せません。